C#でクリップボードから文字列を取得する

クリップボード経由でデータのやりとりすることは、とても沢山あると思います。C#でクリップボードから文字列を取得してみます。

目次

  1. Clipboardクラス
    1. Clipboard.GetDataObject()メソッド
    2. IDataObject.GetDataPresent()メソッド
    3. IDataObject.GetData()メソッド
  2. 試してみた
    1. アプリを作る
    2. 動かしてみた

Clipboardクラス

クリップボードへのアクセスは、Clipboardクラスを使用します。 詳しくは、MSDNのClipboardクラスを参照してください。 流れとしては、まずGetDataObject()メソッドでクリップボードからデータオブジェクトを取得し、次にGetDataPresent()メソッドでデータオブジェクトの形式がTextかどうか確認して、GetData()メソッドでデータオブジェクトから文字列を取り出します。

Clipboard.GetDataObject()メソッド

クリップボードのデータをオブジェクトとして取得します。返値はデータオブジェクトです。返値格納用のオブジェクトは、IDataObjectとして宣言します。下記のような感じです。

IDataObject hoge = Clipboard.GetDataObject();

詳しくはMSDNを参照してください。

IDataObject.GetDataPresent()メソッド

データが、指定した形式で使用可能かどうか、指定した形式に変換可能かどうか、確認するメソッドです。使用あるいは変換可能であればtrueが返ってきます。

引数

内容

第1引数

形式を示す文字列。DataFormatsクラスのメンバで指定する。

詳しくは、MSDNを参照してください。

IDataObject.GetData()メソッド

データオブジェクトから、指定の形式でデータを取得します。

引数

内容

第1引数

形式を示す文字列。DataFormatsクラスのメンバで指定する。

詳しくは、MSDNを参照してください。

試してみた

WPFのデスクトップアプリを作ります。フォームにボタンとテキストボックスを1つずつ配置して、ボタンをクリックしたらクリップボードのデータをテキストボックスに表示するアプリです。

アプリを作る

まず、コントロールを配置します。といっても、フォームにボタンとテキストボックスを1つずつドロップして、適当にレイアウトするだけです。 151228-3-01 ここで、TextBoxに複数行の表示をさせるために、AcceptsReturnプロパティにチェックを入れておきます。 151228-3-02 次に、XAMLのTextBoxの部分を編集します。TextBoxのTextを、Text="{Binding Path=.}"に変更します。バインドするわけですね。 そして、コードを書きます。下記のようにしました。

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows;
using System.Windows.Controls;
using System.Windows.Data;
using System.Windows.Documents;
using System.Windows.Input;
using System.Windows.Media;
using System.Windows.Media.Imaging;
using System.Windows.Navigation;
using System.Windows.Shapes;

namespace clipboard_test
{
    /// <summary>
    /// MainWindow.xaml の相互作用ロジック
    /// </summary>
    public partial class MainWindow : Window
    {
        public MainWindow()
        {
            InitializeComponent();
        }

        private void button_Click(object sender, RoutedEventArgs e)
        {
            string InputText = "";
            IDataObject ClipboardData = Clipboard.GetDataObject(); // クリップボードからオブジェクトを取得する。
            if (ClipboardData.GetDataPresent(DataFormats.Text)) // テキストデータかどうか確認する。
            {
                InputText = (string)ClipboardData.GetData(DataFormats.Text); // オブジェクトからテキストを取得する。
            }
            else
            {
                MessageBox.Show("コピーしたデータが文字列ではありません。");
            }
            textBox.DataContext = InputText; // TextBoxに表示する。
        }
    }
}

動かしてみた

下記の文字列をコピーして、ビルドしたアプリのボタンをクリックしてみました。

いろはにほへと
ちりぬるを

151228-3-03 ちゃんと取得できたようです。

公開日

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