レインツリーの国¶
読み始めたら一気に読んでしまいました。恋愛小説なんですかね。 図書館戦争シリーズの小説で、物語のアイテムとして登場する本です。差別を助長する本として槍玉に挙げられるんだったかな。行き過ぎた言論統制の被害者(本)の象徴だったと思います。
- レインツリーの国
- 有川浩
- 新潮社
というわけでもともと興味があったのですが、ふと立ち寄った図書館に置いてありまして、借りてしまいました。
内容は、共通の趣味を通じて知り合った男女の恋愛の話です。片方が聴覚の障害を持ち、それによって起こるすれ違いを乗り越えていく話です。 有川浩さんらしい恋愛ストーリーが展開されていきます。ちょっと男性が格好良すぎるけど。
主人公二人の一人称で進んでいきます。突飛な設定も無く、とても読みやすいです。
物語の中で、聴覚障害者の就労の大変さが語られています。私の職場にも先天的に聴覚に障害を持った人がいます。話し方が独特で、最初はコミュニケーションをとるのが大変でした。でも今は他の社員と同じ戦力として普通に働いています。電話応対は出来ませんが、CADのオペレーションでは一目置かれています。奇異な目で見る人もいないんじゃないかな。「そういう個性を持った人」という感じ。周りの健常者の方がよっぽど個性的だったりします。
聴覚の障害を持った方が本当にこの物語の主人公のような考え方をするのかわかりません。でも、確かにこういう気持ちになって、こういう考え方をして、こういう行動をするだろうな。でもって、相手はこう受け止めて、ああすれ違うんだと納得できる感じです。
図書館戦争シリーズのスピンオフ企画としてでなくても、面白い本です。