アメリカの自動車輸入について

ちきりんさんが自動車貿易について面白い記事を書いていたので、メモっておきます。

日本の自動車産業が直視すべき現実ということで、各国の生産台数と販売台数を比較しておられます。日本は生産台数が販売台数に対して423万台少なく、アメリカは生産台数に対して販売台数が537万台少ないと。

国名 生産台数 販売台数 生産超過台数
日本 928 505 423
アメリカ 1210 1747 -573

単位は万台です。上記の表の内容はちきりんさんのブログからの引用です。
日本はこんなに生産と販売が乖離している。だからトランプ氏が日本の自動車メーカーをターゲットにする。というような内容です。

ん?

日本からの輸出先って、全部アメリカだっけ?

確かトランプ氏はメキシコからの自動車輸入を問題にしてましたよね。アメリカの自動車輸入先の内訳はどのようになっているのでしょうか。ちょっとググってみたら、JETROの資料が出てきました。

2016年9月のレポートで、データとしては2015年のものですが、メキシコ自動車工業界の調査で米国自動車市場の原産国別販売比率がメキシコ製が11.5%になり日本製は9.3%になったとのことです。

日本貿易振興機構(ジェトロ)作成の「2015年主要国の自動車生産・販売動向」からの引用です。この調査結果ではアメリカとカナダが分かれていないのですが、カナダを別にすれば、アメリカの自動車の最大の輸入国相手国はメキシコということになります。もう日本じゃないのですね。

ところで、メキシコの自動車メーカーってご存じでしょうか。同じ資料にメキシコの企業別仕向地別輸出台数のデータがあります。

日本貿易振興機構(ジェトロ)作成の「2015年主要国の自動車生産・販売動向」からのデータの引用です。上図は「表3 企業別仕向地別輸出台数(大型バス・トラックを除く)」からデータを抜粋しグラフにしたものです。FCAはFiat Chryslerグループです。アメリカ向け輸出台数の総計は2,283,462台です。

2015年のデータですが、メキシコからアメリカへの輸入台数のうち半分以上は、アメリカの自動車会社がメキシコで生産した自動車だと読めます。アメリカの自動車輸入の比率としてメキシコと韓国が増える傾向にあり、FORDやトヨタがメキシコに新工場を作るとなればアメリカの工場からの生産の移転が増えるかもしれないということで、トランプ氏はFORDとトヨタを非難したのではないでしょうか。トヨタはカナダ生産のメキシコ向けカローラを現地生産したかったのかもしれませんが。

ということで、現実を直視すると日本の自動車メーカーはNAFTAをいまいち利用し切れていないのでは?と感じます。

日本の自動車メーカーがどれくらいアメリカの自動車製造に貢献しているかということで、アメリカ国内での自動車生産台数をグラフにしてみました。

日本貿易振興機構(ジェトロ)作成の「2015年主要国の自動車生産・販売動向」からのデータの引用です。米国(生産)の項の「主要メーカー別自動車生産台数」からデータを抜粋しグラフにしたものです。母数は、10,977,951台です。

2015年のデータですが、日系のメーカーがおよそ1/3といった感じでしょうか。利益は多少日本に流れるでしょうが、雇用という点では結構貢献しているように見えます。特に欧州系メーカーに比べて。

ホンダなんかは開発設計もアメリカでしてるし、アメリカの自動車メーカーとは何か考えてしまいますよね。

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